バイク暦 (今までに自己所有として乗ってきた彼等についてのお話・・・)
Overture
1970年 高校1年生の夏、友人と2人でバイトして貯めたお金3万円を握りしめ、横浜の日吉から東京の上野(当時は
バイク街と呼んでいた)まで電車に乗り、とにかく「バイクを買うんだ!」という思いで、その後の事は何も考えていなかった。
とりあえず上野駅に着き、2人で100軒以上あるバイク街を歩いたのだが、どのメーカーの何を買うというのではなく
貯めたお金の3万円以内で買える物を捜していたような気がする。
何時間か見て周り、あるバイク屋さんの前に3万円ちょうどの物が2台並んでいるのを見つけた。
赤フレームのホンダSS50初期型とそして同じ黒フレームのSS50であった。
「これにしようぜ」と言う感じで2人の意見は決まった。僕は黒、相棒は赤を選んだ。
早速お金を払い「乗って帰りたい!」と言ったら「何処から来たんだ?」と聞くので「横浜から」と答えた。
そしたら店のオヤジがこれを持って行けと紙きれを2枚渡してくれた。(販売証明書)「オジさん、ナンバーはいいの?」と聞くと、
「警察に何か聞かれたらその紙見せて今からナンバーもらいに行く所だと言えばいいよ」
と言われ「分かった!それじゃどうもー」と上野を出発した。
帰りの道は全然分からなかったけど、とにかく横浜と書いてある方へ行けば何とかなると思ってた・・・。
当然 帰り道で競争になったが、不思議な事に友人のバイクの方が約5km/h程、速いのだ。
年式、型式、身長、体重、ほとんど同じなのに僕のは85km/hで相手のは90km/hまで針が上がったと言うのだ。
あとでカタログを見ると最高速度95kmとなっていた。走りながら何で俺のはヤツのより遅いのかと悩む・・・
まあ、そんな事やってるうちに無事家まで着いてしまった。
これが僕の「バイク人生の幕開け」となったのである!