LILAC LS18ー2型

  株式会社 丸正自動車製造 ライラックLS18の改良型(U型)OHV 250cc 1961年型
このオートバイには特別の想い出があります。
僕が東京から北海道へ移ってきた1978年の夏、あるオソバ屋さんの前にこのライラックが駐車してありました。
僕にとって実物を見るのは初めての事でした。15分くらい眺めていたと思います。とにかく普通?のオートバイとは全然違いました。
特に前後のウインカー、Vツインのエンジン、シャフトドライブ、ブレーキパネル・・・と各部が見た事の無い造形をしてました。
そして次に一体どんな人が乗っているのだろうと思い、しばらく待っていると店の中から小柄で少し痩せた中年の方が
白くて古臭いヘルメットを持って出てきたので 思わず「これ、ライラックですよねえ」と聞いたら「そうだよ、あんまり走らないバイクだけどね」
と言いながら軽くエンジンを始動し、スルスルっと走り去って行ったのです。それから20年経った後、このバイクは僕の所へやって来ました。
「そんなに好きだったら売ってあげるよ、今 BMWのミッション壊れちゃったから直すのに少しお金かかるし・・。」と言う訳でした。
そのオーナーも大事に乗ってきたライラックだったので、譲り受ける事を約束し数日後の夜遅く引き取りに行った時
、車庫の中には電気が点いていて最後の調整をしてくれていました。
そして2人で少しだけ思い出話しなどをしてそれから車に積んでお礼をして走りだしたら、バックミラーにいつまでも彼の姿がありました・・・