「ごっこ汁」を食べよう!
ホテイウオ  内海内湾魚介類 カサゴ目ダンゴウオ科
北海道の道南の漁師さん達が食べていた美味しい鍋料理です

今年は980円で、やはりメスを買ってきました。
オスを食べようと思っていても、ついメスになってしまうのは卵が美味しいからかな・・・

オスとメスでは身体の色合いや体形がまったく違います。
産卵期はだいたい12月から翌年の4月くらいまでで普段は水深100メートルほどの所にいるのが、浅瀬に来て産卵するのでこの時期がホテイウオの漁期になります。

まずメスは、お腹(吸盤)から卵を取り出します。お腹が膨らんでいるのはほとんど卵です。
それから内臓を取り出します。肝は美味しいので別皿に取り分けて置きます。
卵と肝は塩水で2〜3回ほど洗い流します。


そして熱めのお湯を全体にかけて「ごっこ」の表皮のヌメリを取ります。
ここで「ごっこ汁の作り方」などと言うレシピに「80度くらいの湯をかけて表面の黒い皮を剥く」などと書いてあるのはウソで、皮など剥く事は出来ません。これは実際やってみれば分かる事で、湯をかけて軽くこすればサラサラと表面のヌメリが極薄のワカメみたいに取れてきます。それでOK・・・! 次に吸盤と頭を落とします。(吸盤はヒレが進化したもので、産卵孵化したものは浅い岩場で吸盤を使い吸い付いて生活をし、夏には沖合へと向かうのです。)それから2枚におろします。ゼラチン質で手が良く滑るから気を付けて包丁を入れましょう。さらしなどで抑えても結構です。
1匹に卵だけで何と700gも入ってました!
今年の味付け(スープ)は、かつお節と昆布だしで、後者を引き立たせるようにしました。
具は去年と全く変えて、海老風味のつみれ、鳥ごぼうのすり身、突きこんにゃく、白菜など
      
「頭」もダシに使って欲しそうですがカジカと違ってダシにはなりません。
残念ながら顔は、その愛嬌を楽しませて頂くだけとなります


黒皮のゼラチン質の肉を一口くらいの大きさに切り、サッと塩水で洗い流します。
ごっこ汁のダシには昆布と醤油と酒があれば十分、みりんは甘くなりすぎるのでやめましょう。
一般的な具材としては、ゴボウ、人参、豆腐、長ネギ、椎茸、などと正月のおせち料理で使うような材料があれば結構。
ごっこと一緒に野菜が煮えたら出来上がり。
どんぶりの中に生のりを敷き、それから「ごっこ汁」を注ぎます。
(生のりを一緒に入れて煮込んではいけません)
ごっこ汁を注ぐ前に生のりや岩のりを敷いておく事で「磯の香り」も楽しめます。
美味しい食感の卵が沈んでいるので海苔とのハーモニーを堪能してください。
出来れば岩のりが有ればベストです。
  
黒っぽく見えるのが身で、食べやすいような大きさに切ります。
ピンク色に見えるのは美味しい肝です 上部の白いのが卵です。


今年は「ごっこ汁」というより「ごっこ鍋」という気持ちで作りました。
白菜をたくさん入れるのは一番体が温まる野菜なので、北海道の鍋料理には欠かせません。

ごっこの身はゼラチン質なのに、なぜ突きこんにゃくを入れたのかと言うと
プリプリ感を楽しみたかったからです。身と卵と蒟蒻のハーモニーはそれぞれ味が独立していて
互いに打ち消す事はありません。そして白菜がたくさん入ってるので大鍋で作って何度暖めなおしても
煮詰まらないのがいいですね。

去年は3月に入ってしまったので骨が硬くなっていましたが、函館の人ならゴッコは12月から食べ始めるから最初は骨が軟らかくて、捨てる所の無い魚なんだと言っていました。
しかし旭川のスーパーに出回るのは1月中旬過ぎくらいからなので、いつかその骨の軟らかいゴッコを食べてみたいですね。

途中まで食べてから画像を撮ったので減ってます!(美味しくて忘れていました)
僕はこの卵が大好きで、このプチプチした歯ざわりを楽しみながら良く噛みます。
不思議と噛めば噛むほどこの卵は美味しくなるのでズルズル呑んでしまってはモッタイナイ!

DHAを豊富に含む「ごっこ汁」はボケ防止にもいいんです。
コラーゲンも豊富に含まれているから女性の方 にはうれしい美肌効果ありです。
今度はオスを買ってこよう、そして両方使うのが一番ですね・・・