テーブルマナーの必要性
ここでは詳しく教えないから、知りたい人はその手のHPを見つけてね!
じゃ何を教えたいのかって言うと、講義では教えてくれない事

そもそも「テーブルマナー」が出来たのは何故か・・・

 ホテル勤務時代にテーブルマナーの講師を頼まれて色々な所に何度か出かけて行った事がある。しかし一番最初に受講者に教えなければならないのはフォークナイフの使い方とか食べ方じゃない、なぜテーブルマナーが必要なのかって事、講師の中にはそれを教えず、使い方ばかり教えこもうとしてる人が多い。肝心なことを教えていないのだ。

 それは昔々、「人間」と言う知能指数の高い動物が数匹集まって、家族や仲間と餌を食べる習慣が出来た時から、他の「人間」と喧嘩にならないよう決め事を作って来たんだ。そりゃそうだよね、今自分が食べようとしてた物を横から勝手に食われたら 「コノヤロっ!」て思っちゃうよね。食べてる最中に周りでゴミや埃を撒き散らして遊んでるヤツラがいたら 「ウルセー!」って事になっちゃうもんね。なにせ口の中に物を入れるんだから、その時くらい楽しく美味しく食べなきゃね・・・って事さ。

 テーブルマナーに限らずマナーって言うのは相手に不快感を与えない事、自分は良くても相手にとっては、とってもイヤな事かもしれないよ、そこんとこ良く考え直してみよう。



 たとえば右手にナイフを持って左手にフォークを持って・・じゃ「左利きの人はっ?」て言うと、ゴルフのクラブやギターみたいに世の中には左利き用の道具はあるけど、フォーク・ナイフやテーブルマナーにはそんなの無いんだよ、まず子供にマナーを教えるのは親であって、必ず右手にナイフ・・・って教えるんだ。だって例えば晩餐会とか自分の席が決まってない食事会の時なんか主催側が誰が左利きだから逆にセットするなんて無理、それに正式にはパン(日本だとライスの時もある)、そんな料理まで逆に置くと「陰膳」になっちゃうでしょ。亡くなった人じゃないんだから縁起悪いよ、外国でもダメ。だからナイフが左とかパン又はライスが右側に置かれてるって事は有り得ないんだ。ペンは左に持たせてもテーブルマナーでは数の多い右利きで統一されてるんだ。

メディアも悪い
 テレビなんか見てるとマナーの何も知らない番組制作者が多くて恥ずかしいね、毎日やってる北海道のワイド番組もそうだ。そんなの見てる人がそれでいいと思っちゃあ困るでしょ。僕はテレビ大好き人間だから、なおさらそう思うんだ。
取材だからと言ってホテルの中を走ったり、レストラン内で大きな声を出したりとかね。大好きなドラマの中でも良く有るのにはガッカリする。食べ歩き番組なんかでもそうだし、中にはレポーターが帽子をかぶったまま食べてるなんてシーンも有る。
女性の場合は服飾の一部とみなされるけど男性はいけませんよ!
ワイングラスも足の部分を持つ事、今の時代こんな事は常識になってるはずなのに・・・
それもこれも全て意味をしらないからだね。物事には全て意味が有るんだよ、ワインなんて持つ手の温度でも刻々と変化して行くんだ。

物事を正確に伝えなければならないメディアなのに日本ではまだまだマナーが遅れてるのか、或いはそういう担当者が設置されていない為に恥ずかしいと言う事に気がついていないんだと思うね。
だからテーブルマナーは全世界共通の英語と同じく義務教育にしなければならない。
子供が小さい時は親が教える、学校に通うようになったら先生が教えるべきことなのに両者共マナーを知らない。それじゃいったい誰が教えるの?だからいつまでも諸外国で日本人は笑われちゃう・・・

フォークやナイフは忙しく動かさない
 食べる時に、お肉料理なんか特にそうだけど先に全部切っちゃう人がるね。
きっと面倒くさいからだと思うけど、そんな事したらせっかくの美味しい料理がすぐ冷めちゃうよ。左側から一口ずつ切って食べる事。それと提供された料理を混ぜこぜにしちゃうのもみっともないな。
パスタのソースやカレー、ドリア等の料理はそのままの状態で食べていったほうが主食(主食とは米、パスタ、パン、芋などの事)とソースのハーモニーが楽しめるんだ。
全部混ぜちゃうと最初から最後まで同じ味覚になるしネコ飯みたいに見た目も良くなくなるから相手にも失礼になる。お皿の上で自分で調理をするなって事。
もちろん口の中にいっぱい入ってる時は会話は少し待つようにね。そして取皿を下さいと言うのも洋食ではありえません。それは一人用に美しく盛り付けられているのだから中華料理と違って小皿に取り分ける事はタブーです。でも日本人はあれも食べたい、これも食べたいと思ってしまうので、つい人の物まで欲しがってしまいます。せっかくの盛り付けを小皿に撮ってしまっては犬猫ごはんになってしまいます。動物は最初に嗅覚で食べますが人間は視覚で始まります。視覚、嗅覚、味覚の順番です。「まあ、美味しそう」っていうようにね。
英国ではアラカルトで注文する場合、子供の時からメニューを選ばせ、料理が出てきて他人の物を欲しがったら「あなたが選んだ料理はこれでしょ、もしあの料理が欲しかったら今度注文しなさい」と教育されます。着る物も同じで、ブレザーでもスラックスでもまず子供に選ばせます。そしてそれがセンスの無い選び方だった場合には、親が「このブレザーだったらこちらのスラックスの方が似合いますよ
」と助言をします。なので子供のうちからしっかり自分で「選ぶ」という事を覚えさせます。日本の場合はほとんど親の好みで着せてしまっているのではないでしょうか?そういう教育だと自分の意見を大人になってもしっかりと他人に伝えられなくなってしまいます。

使う道具には理由が有る
僕がビックリしてる事の中に、ホワイトソース系のお料理に「タバスコ」かけて食べる人がいる。それもかなりの人がいるから驚いてる。ごく稀にだったら、しかたがないなぁって思うけどどうしてそんな事するんだろうって考えると、やはり子供の頃から両親が教えていないからだろう。せっかくのマイルドなソースの味を崩す事はないよね、

カレーはフォークを使って食べてもらってるんだけど「スプーン下さい!」って言う大人も多い。子供じゃないんだから米料理はフォークを使おう!リゾットもフォークですよ。スプーンというのはスープのようなスタイル(シチュー、ポトフなど)になってるんだったら使うけど米料理の場合大人はきちんとフォークで食べなきゃね。

どうしてって?
だってスプーンだとお皿に当たる音が大きくなる(フォークの用な弾力性が無い)、カンカン カンカン!とうるさい・・・スプーンは側が湾曲してるから平な皿に盛られている米を綺麗に載せられない、フォークと比べるとスプーンの幅が有るから大きく口を開けることになる。だから特に女性はみっともない、熱いもの食べるのにスプーンは面積があるから冷めにくい、その点フォークは「エンジンのフィン」のように切り欠きが多くとられてるので衝撃音も吸収するしスプーンほど熱くならない、そして本来料理を頂く時は大口を開けて一度に多くの料理を口に運ぶべきではないのでスプーンを使って食べる利点は一つも無いのである。

アッ まだこんな人もいた、これはカレー料理に限ってなんだけど、食べる直前にフォークとかスプーンを水が入ったグラスの中にちょこんと突っ込む人、飲み水用のグラスなのに何でそんな下品な事するんだろうね。自分のおやじがそれをやってたから「何でそんな事やるんだ?」と聞くと、「いや熱いから・・・」とか「スベリがいいから・・・」とか言い訳してた。んじゃ「ふたくち目からはどーすんだ?」と聞くと「水が汚れるからやらない」って言った。それじゃ意味ないじゃん!日本に存在する変な風習には困ったもんだ・・・

料理人も流行りなのか、何倍カレーとかやってるけど本来のカレーの旨味が判らなくなってしまうほどの辛さじゃ料理じゃないよ、作る側もそこんとこ考えなきゃ、そしてマナーも勉強しなきゃ作る資格ないと思う。

洋食を頂く時に「お箸をください!」って言う人もいるよね、テーブルマナーでは何を使って食べようがいいんだけど、そこをきちんと理解しなければいけない。以前とても偉い人が洋食で「箸をくれ、おれは日本人だから箸がいいんだ」と言ってた事が有った。僕はしかたなく希望に答えたけど「恥ずかしい人だなあ」と思ったね。じゃ外人さんが日本に来て寿司を食べる時、私は○○人だからフォークナイフを下さいと言うのか!?・・・・それは有り得ないでしょう。きちんとテーブルマナーを心得ている人ならそんなナンセンスな事はしないはず。寿司をフォークで食べても美味しい訳がない。むしろ外人さんがとても難しそうに箸を使ってる光景を見た事があるはずです。日本に来たら日本の料理を日本のマナーで食べようとしています。それにはそれが一番適しているからそうなっている、と言う事を彼らは理解しているからです。

最近はコーヒーも先にくださいと言う人が増えて来ました。意味の無い事です。若者の中には甘いココアを食前にというのも増えてます。何でコーヒーや紅茶、或いは和食だったらお茶が最後に出てくるのか・・という事を良く理解してください。全てに意味が有って献立が決まっているのです。コーヒー、紅茶、日本茶などの成分にはタンニンが多く含まれています。その成分には整腸作用が有ります。だから胃の調子を整える為に食後に提供されているのです。
※ テーブルナプキンは首から掛けたら焼肉屋さんになっちゃうよ、着席したらすぐ膝の上にね。椅子に座る時は左からだよ!もし女性と同伴なら女性は店内を見渡せる方へ座らせる事をお忘れなく。

何故 銀食器なの?
あっ それから、すっごく簡単に教えちゃうけどディナーの時、テーブルにいっぱいフォークやナイフが置かれてるとどれを使ったらいいか分からなくなっちゃうって人は外側から使って行くんだけど、それが緊張しちゃって、外側からだったか内側からか分かんなくなってしまったら、ちょっとだけ考えてみて・・・

内側から使って行くと、次々と料理が運ばれて来るから最後になると両側のすっごく遠い所にフォーク・ナイフが残るでしょ?それって見た目変だよね、だから外側から使えばいいんだ。フルコースなら両側だけじゃなく、上にも並べられているけど、同じ事で上から使って行こう。手前が最後になるように。上にはフルーツやデザートやコーヒーなどのシルバーが並んでます。

  「シルバー」って?
業界用語(専門用語)でフォークやナイフ、スプーン等の食器を「シルバー」って呼ぶんだけど、それには深〜い意味が有るんだ。

むかしむかし、ある所に王様がいて悪い人に暗殺されそうになっていました。食材の中に毒を入れれば城に攻め込まなくても殺せると・・・。そこでお城の人が考えました、そうだ!食べる時に使うフォークやナイフを「銀」で作れば毒素に反応して変色するから発見出来るし、鉄のように錆びる事もない、手入れは大変だけど「銀」の輝きは甘い輝きだから食卓も華やかになるってね・・・だから格式の高いレストランは銀製食器を使ってるよ、これがまた手入れするのが大変。ギャルソンは毎日磨かされるんだな、でもその輝きは今のステンレスのような冷たい輝きじゃなくて柔らかな優しい輝きだからいいんだよね。

はてな・・・?   これ何に使うの・・・
テーブルの右上に有る小さなボールに水らしき液体が入ってた、
飲んだらアカン! それはフィンガーボールなのだ。指先が汚れた時に使うんだよ。

ずいぶん平べったいスプーンだなあ・・・
それはソース・スプーンだ、お魚料理などで美味しいソースも食べて欲しいから出てるんだ。

いっぱいグラスが出てるなあ・・・
まあ、手前からお料理に合わせたワインが出てくるから心配いらないさ

※ ワインは食事にとって非常に大切なもの
世界中どこの国でも晩餐会ではワインが共される。ビールやウィスキーなどでは乾杯もしない。
なぜだろう・・・そこを考えてみてください。
ワインならどんな料理にも合わせられます。それだけ味に幅があるのです。もし貴方に時間が有るのなら少しでもワインについての知識を高めてください。決して貴方の人生にマイナスにはならないはず。ほんの少し知っているだけで貴方はグルメになれます。
  「マナー」は英国式
世界共通語は英語、すなわちイギリスの言葉が世界の共通語になってるから皆んなは学校で英語を習わされるでしょ?

僕がいつも思ってるのは、義務教育で英語しか教えないのは変だって事。
当然テーブルマナーも教育課程に組み込まれなければならないはず。
 本来は親が子供に教える事だけど、学校という共同生活の中でも教えて行かなければならない必須の科目なのです。

各国のお偉い人達を招いて晩餐会をする時の料理は基本的にフランスなんだなあ・・・
それに自国の料理を少し組み合わせてメニューが決まっていく。

でも日本料理は中華料理と並び、世界3大料理だと言う事も知っておいてほしい。
その世界の3大料理をフランス、中華、そして日本ではなくトルコと言う人も多いけど、それは本当の和食を全て堪能していない人の意見だと思う。日本料理はその「季節」に合わせた食材や器が有り、その奥深さは土地によっても様々でとても素晴らしい。四季がハッキリしているからこそ海の幸、山の幸の両方が楽しめるのも条件となっている。