GSXR750RK
  

     


中学生の時から古い車を見るのが好きでした。大人になったらロールスロイスやジャガーEタイプ、モーガンが欲しいと
夢を見、そしてバイクは絶対ハーレーだなあと決めていたのだけれど所詮「夢」であり、叶うわけではありませんでした。
その後、普通に4輪&2輪を楽しんで来た中で、「レース」に興味が出て来ました。しかし色々な条件等で僕にはそれを行う事が出来なかったのです。
だからいつもテレビや雑誌を見て「カッコイイ!」と憧れていただけ。

しかしライダーやドライバーにも憧れるけど僕にはそれ以上にレーシングマシーンがとても美しく見えたのです。
とくにサーキットで走っている時のライダーとマシーンが最高に「カッコイイ!」と思いました。
そしてそのまま大人になり、努力もせずレーサーになりたかったとの思いが胸にしまい込まれたままになっていました・・・


 

旧車が基本的に好きだったのでレーシングマシーンも古い物の方が僕の目には美しく映り、いつかは旧車レースに出てみたいと願っていました。
そして長い月日が経ち、何故か44歳を迎える前日ふとレースをやる前にサーキットに行って膝を擦ってみたくなったのです。
どうせバイクに乗っているなら一生一回でいいから皆んなみたいに「膝擦り走行」と言うものをやらなければ自分のバイク人生に悔いが残ると思いました。
好きな事は何でも努力しなければ前には進めないと言う事でしょうか、努力の嫌いな僕もこれは体力の落ちる前にやらなければ・・・と決意したのです。

早速近所のバイク屋さんのオーナーが現役のロードレース国際A級保持者なので、どうやれば膝を擦れるか聞いてみました。
しかし彼は返答に困っていたので、「ちょっと擦れればいいんだけど」と聞くと公道じゃ危ないからサーキットで練習した方がいいと言う事になったのです。

初めてサーキットに行くと言うので人生最初のレーサーレプリカとして古いCBR400Rを買ってステッカーをベタベタ貼ってみました。
しかし実際初めてのサーキット走行ではSRとかSRXとかグースとか普通のネイキッドに全て抜かされました。
いったい僕のバイク人生28年間(当時)は何だったんだろうと思い知らされたのであります。

こんなに落ち込んだ事はなかったのだけれど走りながら僕は全くバイクに乗る為の基本が出来ていないと言う事に気が付いたのです。
だからレースやってる人に何でも聞きました。聞いてなるほどと言う事ばかりで、とても勉強になり、それがツーリングでも役に立ち
峠やスピードに対しての恐怖感が消えていったのです。やはり独学よりプロに聞いた方が上達が早くて安全だと思います。
人に聞く事を恥ずかしいとか思ってたら絶対に上手になるのには期間がかかり過ぎます。(パソコンと同じでした)

かくして最初に膝を擦った時の「アノ音」は忘れる事の出来ないものとなったのです。
しかしムリ膝と呼ばれるもので、ブレーキングがわりになってしまいました・・・
自然にバンクセンサーとして使えるようになるまでには3〜4回のスポーツ走行が必要でした。



この89年「SUZUKI GSXR750RK、オーストラリア仕様」は僕が初めて購入したホモロゲーション・モデルです。
現在はヨシムラ・レーシング・デュプレックスを装着しているだけですが、FCRの予定はあります。

パワーバンド、クロスミッション等を生かすには一般公道ではちょっとキツイので、
楽しく走れるのはやはりサーキットです。それ以外だと北海道では「霧立峠」が大好きなコースです。
8000回転以上をキープしながらの走りは、このRKの醍醐味でしょう。
油冷エンジンの面白さを、87年のGSXR750オーストラリア仕様で知ってからこの89年のRKにたどり着きました。

打倒「HONDA RC30」を目標として開発され、そしてその目標を達成したというスズキワークスの
TT−F1に賭ける意気込みが非常にライダーに伝わってくる1台だと思っています。