PART 3

「ガサイなあ陸王ってのは・・・」とボヤキが出始めた だからこそ、しっかり整備しないと「陸王」は動かない、当たり前の事なんだけどそれが大事です 今度は失敗しないように真剣

明日はエンジンの音が聴いてみたいなあ 今日は徹夜だぞ・・・

再度組み直して さあ始動! 「オヤジさん 掛かったぞ〜」


かくしてこの「陸王」はエンジンが掛かり車検を取って無事オーナーの所へ戻って行ったのですがそれから3年後、
そのオーナーは病気で亡くなってしまいました。
その後、御家族の方が彼の所有していた車、オートバイ等を全て業者さんに売却してしまい、
それぞれ想い出の有るオートバイ達が何処へ流れて行ったのか行方不明になっていました。
そこへ先日(2002年7月)ある自動車の中古車業者さんが僕の売りに出していた乗用車を買いたいと言ってきて、
色々お話をしていると何とこのオートバイが当店にありますという事になったのです。
それでこの陸王の修理の想い出話しなどをし、もう一度僕が治して彼の意思を継いで乗りたいから「トレードではどうでしょうか」
と聞いてみたら業者さんの方でもこの「陸王」のエンジンがかからず売れなくて持て余していた所だったので、
すんなりと交換して頂く事となりました。その後すぐ引き取りに行って持ち帰って各部の点検をした所、
何処かでもう一度修理された形跡が有りました。やっとエンジンは掛かったのですが何か変です。
これはちょっとおかしいと思い旭川の「高橋輪業」の社長にみて頂く事にしました。そこでやっと原因が判明しました。

もう一度シビアな油面出しとフロート交換、オイルポンプの吐出量の調整、ヘッドが熱で歪んでいたので外して研磨、その他各部点検を行ってもらいました。 そして調子が悪くなる原因発見、何と左のガスタンク(半分はガソリンの予備タンクで半分はオイルタンク)の仕切り版の溶接が外れていて、だんだんガソリンが混合状態になってしまう事でした。